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屋良っティーニのシリアで教えある記 『ヘンなガイジン』

09・02・11
 シリアに来て1年半が過ぎた(はやいもんだ!)。いつだったかお話したとおり、アザーン(イスラム教のお祈りの合図で1日5回街中のモスクから大音量で響き渡る)にも慣れ、買い物にも慣れ、女の子の素っ気無さ(イスラム教なんでご法度なんです!)にも慣れ・・・ない・・でも、そのせいなのか、脳が老朽化してしまっているのか定かではないんですが、アラビア語がもう入ってこないんです(悲)。街で不自由しない程度に覚えた直後から、まったくボキャブラリーが増えない!頭が勝手に「もういいんです!」って決めてしまったようなんです。
 
 ピッチでも『ヤッラー(いけー)バードゥ アン バードゥ(広がれー)リッサリッサ(つづけろー)イデッキ(腕をつかえ)』など指導現場では、お決まり単語で指示をだす。込み入ったことは通訳にお願いできると思っている甘えが、これまたボキャブラリー不足の原因なんでしょう。
 
 私の親分であるシリア代表のファジョル・イブラヒム監督はうれしいことに英語がしゃべれるんです。だから、私との会話は極力英語で話してくれます(だからって、言うほど私はしゃべれませんよ)。
 
 シリア代表選手達もさすがに代表選手だけあって!?少々英語ができるので先日、選手たちに体幹トレーニングを取り入れたときも、さっきから言ってるとおり、わたし的にとてもじゃないけどアラビア語で説明できないので、局部を指差しポーズをとりながら「イッツ インナーマッスル トレーニング。 コア マッスル ね!」みたいになっちゃうんです。
 
そして、監督が英語を出来るのをいいことに質問はいつもこんなかんじ・・・
『アルヨウム タマリーン ホーン マラーブ? Where タマリーン ブックラ?』
(今日はこの競技場で練習するでしょ? 明日はどこ?)
 
試合後のリカバリーでケガ人とジョギングしていても・・・
『ウェーン アンテ Pain? ホーン Pain?』
(おまえ どこが 痛むの? ここが 痛いのかい?)
 
選手とのストレッチでも・・・
『マ〜 Together!』
(一緒にやろうぜ!)
 
でもあるとき、ふと気付いたんです・・・
オレの会話ってシリア人から言わせれば、ルー大柴の『ルー語』みたいに聞こえてるんだろうな〜って、本気で『トゥギャザ〜 しようぜ〜!』って言ってたんだな〜って。
思い出して、ひとり、大爆笑してしまいました。  
ロベルト・屋良っティーニ