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大津一貴のエンジョイフットボールライフ『札幌で少年サッカー教室開催』

19・12・11
 上写真/中央が大津選手。スクリーン前で体の使い方を指導しているのが“ピクシー”こと石垣トレーナー


 北のサッカーアンビシャスをご覧の皆さま、こんにちは。私(大津)は現在、来シーズンに向けてタイの首都バンコクにてトレーニング中です。と言うのも、海外でプレーしている私は、毎年オフシーズンが12月頃となることが多いです。その結果、地元北海道では本格的な冬の時期と重なり、トレーニング環境を確保することが難しく、1年を通じて暖かい気候であるタイに拠点を移して、日々トレーニングに励んでいます(「タイはコンサドーレのチャナティップ選手の母国だよ!」と言うと、北海道の子どもたちはすぐに理解してくれます)。

 さて、その灼熱のタイ(最近は30度が多いのですが、現地の人たちは寒いと言っています・・・)へ渡る3日前、2019年11月23日札幌の「notame Do sports」様に主催して頂き、ジュニアサッカー教室を開催しました。今回のサッカー教室は、ただ単にサッカーをプレーするのではなく、私が1年間取り組んできた「身体操作トレーニング」をテーマに行いました。

 まずご紹介したいのは、私が今年モンゴルでプレーしていたシーズン中も身体操作トレーニングを取り組めるよう、オンラインで指導して下さった魔法使いの妖精“ピクシー”の愛称で呼ばれる石垣大輔さんです。この名前を見てピンと来た方は、北のサッカーアンビシャスを熟読されている方ですね。本誌の『健康・メディカルコーナー』を担当されており、私のコラム内でも一度ご紹介させて頂きました(大津一貴のエンジョイフットボールライフ・2019年7月号参照)。その石垣さんと共に、サッカー教室の講師を2人体制で務めさせて頂きました。

 サッカー教室当日は、「1〜3年生」と「4〜6年生」に分けた2部構成で開催。両部門共に20人以上の子どもたちと、その保護者の方にご参加頂きました。まずは、自己紹介を兼ねて「なぜ大津一貴は海外でプロサッカー選手になったのか」ということをテーマに話しをさせて頂き、その流れから実際に海外でプロサッカー選手として活躍するために取り組んでいることを紹介しました。

 その1つが、今回のサッカー教室のテーマである「身体操作トレーニング」です。トレーニングを始める前の写真と、1年間掛けてトレーニングに取り組んだ後の写真を比較し、子どもたちにも分かるように「身体操作の重要性」を伝えました。また、そのトレーニングを実践した結果として、私が「2019年モンゴルサッカー界ベストゴール賞・候補にノミネート」されたゴールも、動画を交えて紹介。より、説得力を持たせるように工夫を重ねました。

 上:上段写真/身体操作トレーニングをする前の大津選手のプレー中の写真。まだ体の使い方がうまくなく、姿勢が悪い(2016年・ニュージーランド時代)

 上:下段写真/身体操作トレーニングを1年続けた結果、以前と比べて、姿勢が明らかに良くなった(2019年・モンゴル時代)


 その後は石垣さん指導の下、実際に子どもたちが身体操作トレーニングを体験。普段行うようなストレッチやウォーミングアップとは違う動きに、初めは戸惑う様子でしたが、難しいメニューに対しても積極的に取り組む子どもたちの姿勢が素晴らしかったです。そのトレーニングを終えた後に、私が主体となって本格的なサッカーのトレーニングを行いました。「普段の練習の時と身体が違う」という感想を自然と発言してくれた子が数名。これが、まさに今回のサッカー教室で伝えたかったことです。

 どんな国、どんなカテゴリーであれ、プロの世界では常に「結果」が求められます。その結果を残すためには、チームが勝つことと同時に、個人の結果も求められます。その個人(=自分)が活躍するためには「サッカーがうまい選手」になることが必須です。サッカーがうまくなるためには“練習”が必要ですが、よりうまくなるためには「身体操作」(=自分の身体を思った通りに動かせること)が大切になってきます。ほんの少しの“違い”の積み重ねが、後々大きな結果となって現れます。今回のサッカー教室を通じて、子どもたちにとっての“きっかけ”となってくれることが私の本望です。

 また、ただ単にサッカーの練習をたくさんするのではなく、『よく寝て、良い栄養を取り入れて、良い心を持って生活する』ことが、最終的にはグラウンドの上で良いパフォーマンスにつながります。その上で、思いっきりサッカーを楽しむ。それが、自分が1年間掛けて、ピクシーさんと共に取り組んできたことです。と、少し難しい話しの部分は、子どもたちがサッカーのトレーニングを取り組んでいる時間に、石垣さんが保護者の皆様に向けて詳しく話して頂きました。

 ということで、普段行われるようなサッカー教室とは少し違った角度からアプローチした今回のジュニアサッカー教室。ありがたいことに、「またこのような機会があれば参加したたいです」というお言葉を頂きました。是非、今後も継続して開催できるよう、魔法使いの“ピクシー石垣”さんと協議を重ねたいと思います(超マニアックな魔法教室にはならないように、私がしっかり魔法の杖でコントロールします)。

 最後に、今回一緒に講師を務めた石垣大輔さん、主催していただいたnotame Do sports様、ご協力頂いたみつわ整形外科クリニック様、誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

◆大津一貴プロフィル◆
少年時代は、札幌山の手サッカー少年団とSSSサクセスコースに所属。中学校時代はSSS札幌ジュニアユース。青森山田高校から関東学院大学へ。卒業後は一般企業へ就職。2013−2014年は、T.F.S.C(東京都リーグ)。2015年FCウランバートル(モンゴル)。2016年スリーキングスユナイテッド(ニュージーランド)。2017年カンペーンペットFC(タイ)、2018年からは再度FCウランバートル(モンゴル)でプレーし、優秀外国人選手ベスト10に選出された。
大津 一貴