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今日から役立つ!メディカルの知識 『腰痛をリハビリで治す』

09・01・11
 サッカーでは、打撲、捻挫、疲労性の炎症などが原因で腰痛が多く発生します。たいていは自然治癒しますが、早期復帰、再発予防にはリハビリが必要です。
 
 腰痛は急に起こることがほとんどです。起きてしまったら、まずは強い痛みがおさまるまで痛みが出ない範囲の安静を保って下さい。横になって寝ているとき以外は、コルセットで固定しましょう。2、3日経って痛みが和らいできたら、リハビリを始めましょう。
 
1、ストレッチング
 筋肉がかたく、関節の可動範囲が狭くなり動作のストレスが腰に集中します。さらに、腰痛をかばうことで周囲の筋肉に負担がかかって、さらにかたくなります。
 腰まわりの体幹筋や、足の筋肉を中心にストレッチングを行い、筋肉のかたさを改善させましょう。
 
2、姿勢の改善
 腰椎前弯(背中が後ろにそり返った状態)、骨盤前傾(お尻が後ろにつき出た状態)は、慢性腰痛の原因となります。負担のかからない正しい姿勢を取り戻すことが必要です。姿勢を横からチェックしてもらい、アドバイスをもらいましょう。
 
3、筋力強化
 サッカーができる体力があっても、部分的に筋力が弱いことがよくあります。腹筋、背筋などの体幹筋、足のつけねの股関節の筋力を改善させます。
 
 リハビリの詳細は、スポーツドクター、スポーツ専門病院のリハビリの先生、トレーナーに相談しましょう。
 
 成長期には腰椎疲労骨折が多く起こります。腰を後ろにそらせて痛みがあるときは、スポーツ専門病院を受診しましょう。MRIで初期診断を行い、CT検査で治癒過程を判定します。進行すると腰椎分離症、腰椎分離すべり症に至り、腰痛を繰り返す原因になります。初期のうちに治療を開始して、後遺症を残さない治療が必要です。
 
 その他、腰椎椎間板ヘルニアはMRIで診断がつきます。中高年以降では、変形性腰椎症、脊椎管狭窄症も増えてきます。腰痛が長引くときは専門医の診察を受けましょう。              
西岡第一病院 スポーツ整形外科 中野 和彦