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弊紙発刊の書籍が全国で絶賛販売中!【一部抜粋して紹介】

18・05・11
 上写真/左側は「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」の表紙。右側はカラーページで紹介されている多目的屋内交流施設(三角屋根の建物。その隣はクラブハウス)


 昨年Amazon初登場でカテゴリー別4位、その後口コミで広まり、大型書店「コーチャンフォー 新川通り店」でも取り扱いが開始された書籍「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」(出版元:北のサッカーアンビシャス、税込1,080円)が、全国のサッカー関係者から注目を集め、絶賛発売中だ。

 本紙では、昨年の12月号から本の中身を少しずつではあるが紹介している。6回目は第七の巻「10億なら50億、100億なら500億の投資」から一部を抜粋したい。


【以下書籍より一部抜粋】

第七の巻「10億なら50億、100億なら500億の投資」

 いきなり○○億円と大風呂敷を広げたが、ここまでのSSSドリームプロジェクトの話は、一NPO法人としては大きな資金と捉えていても、一般企業(特に大企業)や公共事業などからみたら、大した金額ではないだろう。柴田も「自分たちで大きな仕事だと思っていても、視点や立場を変えれば、全く大したことないと言われてもしかたがない。でもね。100億企業だとしても500億の投資をするという判断は、簡単ではないはず。確かに規模は比べようもないが、俺たちはその割合の決断をしているんだ」と、強引な説明をしたこともある。

 この話には経緯がある。柴田がドリームプロジェクトを始める以前、施設の確保に向け異業種との連携も含めて資金導入の可能性を探った時期もあり、企業関係者に説明する機会も多かった。

 企業家も集まる話し合いの場で柴田の発言の機会となり、「世界をリードしているサッカー先進国に追いつけ、追い越せの精神でスポーツクラブ事業を行っているが、それには三世代の時間がかかるかもしれない」・・・。

 その場にいた地元企業の社長の反応はこうだった。
「何、訳のわからないことを言っているんだ!こっちは短期・中期・長期スパンで事業を考えてはいるが、何でサッカーの三世代の話を持ってきているんだ。時間の無駄だ!」―。

 別な機会では、施設確保の案件で説明すると、
「子どもたちのために施設を造ったところで、何パーセントの利率でリターン(利益の見返り)してくれるんだ」という反応も多かった。それも営利企業なら当然の発想だろう。このような話のあと、柴田は深々と頭を下げて、話を聞いてくれたことに感謝し席を立つのだが、その後に毎回行われる特命チームとのミーティングでは本心を明かす。

 「確かに、スポーツに理解が薄い企業家にサッカーの三世代の話をしても伝わらないな。でも、今はばかにされていても俺は結果を出して、あの会社より長く仕事をしてやるぞ!」。

 「何パーセントの利率?利益のリターン?子どもの未来と可能性を広げる活動を何パーセントの利益率なんかで判断できない。そもそも見返りなんか求めてたらこの事業はやってられない!」。

 反骨心もあったが、営利企業の立場で実際に土地の運用を考えた場合、グラウンド単体では利益どころが、投資の回収もできないという現実も十分理解していた。

 「だからこそ、自分たちが子どもたちのために、無理を承知でやるんだ!」という意気込みは終止一貫して変わらなかった。

 しかしどうだろう。繰り返しになるが、この時大きな自己資金も無く、施設確保で目に見える成果は何も挙がっていないのだ。もしあなたが相談を受けた企業側、もしくはクラブ関係者なら、柴田を中心とする特命チームの意気込みは買うかもしれないが、この話には乗らないのが普通ではないか。それを覆すにはやはり目に見える成果=結果が必要なのだ。

 ちなみに後日談としては、柴田の話を鼻で笑い、ばかにしていたという企業名を何とか聞きだし、簡単に調べてみると、その会社のホームページは無くなっていた・・・。

  上写真/書籍の中では子どもたちも読みやすいようにと、登場人物紹介やエピソードがイラストで紹介されるページもある


 この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。店頭でのご購入はコーチャンフォー新川通り店(他店舗はお問い合わせください)か、Amazonでも送料無料で販売しております(Amazonサイト内で、「本 SSS」、もしくは「100万円も」で検索するとトップページに表示されます)。

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編集部