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屋良っティーニの教えある記『楽しくなる工夫をしてあげましょう。。。』

12・10・15
 とある地区の低学年の試合を見ていたんですけど・・・ 

 ゴールキックの際、ペナルティーエリアを出ない! 結局、ボールを蹴れないから、枠の外に出ないんだよね〜。

 味方からのゴールキックをエリア内で触ってしまって、「ピ〜」って笛が鳴ってやり直し! きょとんとする子どもたち。。。やり直したゴールキックでも、相手チームがエリア外に出るのを待ってあげるような?!状態。。。

 ゴールだって大きすぎて枠に行けば全部入れられちゃうよ〜。試合自体も、ワンサイドになってしまってるし。とんでもない大量失点でやられちゃってるし。そんな、子どもたちに追い打ちをかけるように、怒鳴るコーチ↓↓↓

 これじゃ、楽しいはずのサッカーがキライになりかねない!

 こんな光景を見て、「なんでこの子たちのレベルに見合った場(試合)の設定をしてあげないんだろう?!」って思うんだよね。

 確かに、試合をすればうまくなる場合がある。でもそれは、身の丈に合ってうまくなれるし、いい経験ができるってもんよ!

 その学年だからって、子どもたちのモチベーションもレベルも伴ってないなら、あえて8人制や11人制の大会に参加することはないのにね!(いろいろ事情があるのはわかります!でも、子どもたちのこと考えなきゃって思う)

 じゃあどうすればって?簡単ですよ!!

 フットサルやクアトロゲーム(4対4)をやればいい。

 そうすれば、もっと拮抗したゲーム展開にもなるし、ひとりひとりのボールタッチ数も自然に増えて、1試合で数回しかボールに触れなかったなんて子もいなくなる。

 ボールだってローバウンドだから、コントロールもしやすいし狭いピッチだから1対1の場面も多くなる。よくありがちな、「クリア〜!」なんてナンセンスな発想もなくなるはず。

 だって、フットサルで「クリア〜」ってありえないもんね! だから、しっかりつなぐ習慣も浸透しやすい。ゴールだってミニサイズだから、ナイスセーブも連発する! そうすりゃGKやりたい子も増える!!

 これを繰り返せば、うまくなるに決まってるんです!!

 指導者のみなさん! もしあなたのチームのカワイ子ちゃんたちがそんな試合をしてしまっているのであれば、既存の大会参加を見直して、賛同する仲間のチームを集めてフットサル大会を開催してみてください!

 もしかしたら、私たちコーチが場の設定を見誤ることで、多くのタレントをつぶしているのかもしれませんよ!!

 お〜 怖っ!!!


◆筆者プロフィル◆
屋良 充紀(やら みつとし)
現役時代はブラジル、エクアドル、コロンビアでプレー、コロンビアではコーチも兼任。
帰国後、横浜FC泉Jrユースの監督として7年間指導。その後『JFAアジア貢献プロジェクト』で中東のシリアで未来のシリア代表選手を育成するべく、SFA(シリアサッカー協会)フットボールアカデミーを開校しヘッドコーチを務めた。アラビア語で『サッカー指導指針』をつくり、シリアは勿論のこと海を越えてアフリカ・スーダンでも高い評価を得ている。
現在は横浜市でブラジルのストリートサッカーをヒントに遊び心をくすぐるサッカースクール、『エスコリーニャFC』に力を注いでいる。
ロベルト・屋良っティーニ