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屋良っティーニの教えある記『ファンタジスタ環境保護』

10・11・11
 最近、往年の有名なサッカー選手たちのDVDを買った。ペレ、マラドーナ、バッジョ、ロナウド、ジダン・・・
 
 彼らの共通点は、子どものころにみんなボールで遊べるストリートサッカーのスーパースターだったってこと!
 教えてもらったようなプレーではなく、自分から想像し、そのテクニックを何度もミニゲームでやり続けてきたプレーヤーばっかりなんだよね。
 
 彼らのインタビューでもきまって「子どもの頃はずっと団地の片隅でミニサッカーに夢中だった・・・」みたいに口をそろえて、似たような話をしてるもんね!
 確実なテクニックは大切だけど、柔軟な発想と遊び心がなければ、こんな風にはならないし、第一サッカーを楽しめないし!!
 
 指導法が確立されJFAが色々発信して、日本のサッカーの育成システムがどんどん進化している。各年代の代表もある程度のところまで結果を出せるようになってきたとも思う。
 
 サッカーを始めたころから、大人ばっかり関わっていらないコーチングで頭でっかちになり、遠くに蹴って結果ばかりを求めたがる。だからこそ、もっと、子どもの頃は、良い意味で“いい加減なサッカー”をするべき!
 
 そう!! 例えるなら僕たちが毎日暗くなるまでやったカン蹴りや、鬼ごっこみたいにね。
 だって、カン蹴りや鬼ごっこに大人やコーチなんていないでしょ?ましてや練習なんてしないし、ほぼエンドレス。
 
 多分、冒頭でお話ししたスーパースターたちはこんな感じで飽きることなくストリートサッカーに没頭してきたんだよね!
 幼少期はコーチングされる前に、こんな環境でサッカーをしてこないと、才能に磨きはかかりません。
 
 ぶっちゃけ、練習ってのは、ある程度うまいヤツらがやるもんで、そうでないヤツらは練習しても意味がないんだよね。
 育成システムの進歩も大事だけど、今こそ、“ストリートサッカープロジェクト”でファンタジスタ予備軍を泳がせてあげる環境整備をしないと、魅力ある選手は激減してしまう様な気がする。
 
 日本サッカー、次の課題は“ファンタジスタ環境保護地区”づくりです!
 
 
◆筆者プロフィル
屋良 充紀(やら みつとし)
現役時代はブラジル、エクアドル、コロンビアでプレー、コロンビアではコーチも兼任。
帰国後、横浜FC泉Jrユースの監督として7年間指導。その後『JFAアジア貢献プロジェクト』で中東のシリアで未来のシリア代表選手を育成するべく、SFA(シリアサッカー協会)フットボールアカデミーを開校しヘッドコーチを務めた。アラビア語で『サッカー指導指針』をつくり、シリアは勿論のこと海を越えてアフリカ・スーダンでも高い評価を得ている。現在は横浜市でブラジルのストリートサッカーをヒントに遊び心をくすぐるサッカースクール、『エスコリーニャFC』に力を注いでいる。
 
ロベルト・屋良っティーニ