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屋良っティーニの教えある記『合宿いろいろ』

10・09・11
 夏休みが終わってから夏休みのことを書くのもなんですが、夏休みが始まる前(じゃあ、夏休み前の話じゃん!?)ガンガン、メールで『○○平で合宿しませんか』、『8人制大会のご案内』的な広告が合宿企画会社から送られてきます。
 
 少年チームでも夏休みは大抵のチームが合宿しますよね。ですから、ビジネス的にも成り立つんですね。
 
 競技レベルでやってるところはもちろん、同好会やサークルもこんな広告が送られてくると、とりあえず合宿しなきゃってなるんですかね。
ただ、合宿を機会にチームの結束が強くなるのは確かですよね。
『同じ釜の飯』を食うとやっぱり違うみたいです!!
 
 ユースの頃だったかな〜。ボール持って行かない合宿なんてのもあって、ひたすら走ったもんです。気が付いたら山中湖1周マラソンにエントリーさせられてて部員全員参加したこともありましたっけ。1日3試合やってヘロヘロだった合宿もあったり!!
 
 大好きなはずのサッカーが、「つ・ら・い」と思ったのもこの時期でしたね。
 
 本場ブラジルでの合宿と言えばリーグ開幕の2カ月前ぐらい前からぼちぼち集まってくる選手たちがプレシーズンマッチをこなしながらバスで行脚したのを思い出しますね。
 
 お金持ちクラブは、海外のカップ戦に招待されたりしてプレシーズンを過ごすようですが、そうでないチームは田舎のチームが主催のカップ戦に参加するしかないですからね。それも初めて聞く様な名前の田舎町の“町おこし”みたいな大会ばっかりで、「こんなところサッカーやってなかったら来ね〜な〜」ってとこばっかり行ってましたね。
 
 娯楽の少ない片田舎でやると、どこでも超満員になるのでこっちとしては少々やる気もでる!!アウエーだけど、とげとげしくもなくちょっぴり温かいような気もする。。。
 
 しかも、たまにそこ出身の選手がいたりすると、一族大盛り上がりで、家に招待されちゃったりしてなんだかアットホーム。でも、試合後、役員と相手チームの上手かった奴と度々話しこんでる姿を目撃するんです。
 
 耳をダンボにしてみると・・・
「ここで、いくら(給料)もらってんの?」
「パッセ(契約権)は誰が持ってるの?」なんて事をヒソヒソ・・・。
 
 そうなんです!引き抜き(スカウト)も兼ねていたんですね。これは、自分とかぶるポジションの奴と話してたりするとドキッっとしますよ。実際、次の週にはその選手が練習に参加してきますからね。
 
 こんな風に、資金の少ないチームはプレシーズンに生き残りをかけて危機感120%の地方巡り合宿が行われるんです。
 
 こうしてチームも選手も強化していくのがブラジル流なんです。
 
◆筆者プロフィル
屋良 充紀(やら みつとし)
現役時代はブラジル、エクアドル、コロンビアでプレー、コロンビアではコーチも兼任。
帰国後、横浜FC泉Jrユースの監督として7年間指導。その後『JFAアジア貢献プロジェクト』で中東のシリアで未来のシリア代表選手を育成するべく、SFA(シリアサッカー協会)フットボールアカデミーを開校しヘッドコーチを務めた。アラビア語で『サッカー指導指針』をつくり、シリアは勿論のこと海を越えてアフリカ・スーダンでも高い評価を得ている。現在は横浜市でブラジルのストリートサッカーをヒントに遊び心をくすぐるサッカースクール、『エスコリーニャFC』に力を注いでいる。
 
ロベルト・屋良っティーニ