上写真／全国リーグの「なでしこリーグ２部」に参戦し、今シーズンは５位となったノルディーア北海道のメンバー。前列中央が詫間美樹監督（写真提供：ノルディーア北海道）


　日本女子サッカーの全国リーグである、「なでしこリーグ２部」に本道を代表して挑戦しているノルディーア北海道。チーム名は、イタリア語で「北」を意味する「ノルド」と「女神」を意味する「ディーア」を合わせた造語で「北の女神」を意味している。今回は、ノルディーア北海道、詫間美樹監督のコメントから、２０２１年シーズンの戦いを振り返りながら紹介したい。


　― リーグ戦を振り返って ―

　ノルディーア北海道監督の詫間美樹です。先月、１０月１０日（日）にプレナスなでしこリーグ２部の最終節を終えリーグ５位ということで、当初は４位以内を目標にしていたので大変残念な結果に終わり、また監督としても申し訳ないと思っています。

　今シーズンを振り返ると、３月末にグラウンドでトレーニングが出来るようになった際、意図のないロングボールを蹴ってしまうなど、一人ひとりがその局面で適切な判断が出来ない選手が多いと感じました。その為、開幕戦では受け身の戦術を行ってしまい、０−２で敗戦。シュート数も相手チームの方が上回っていました。また、シーズンスタート時から選手のサッカーに対するモチベーションの差も大きいと感じていました。

　ただ、第１節の全ての試合を見て、今やるべきことにじっくり取り組んだとしても最下位にはならないとの判断から、個の育成に切り替えました。トレーニング内容としては次の試合で結果を出すための戦術練習より、局面を打開出来る力を養う為の切り取ったトレーニングを多くしました。誰かがいないと戦力ダウンになるのではなく、一人ひとりの能力を伸ばしチーム内競争をさせることで、チームの底上げにつながることと、必死に取り組んだライバルだからこそ応援出来るという気持ちからチームワークを良くすることを目指しました。

　その為、前半戦は多くの選手を起用しても負けないサッカーを目指し、守備戦術を落とし込みました。上位との対戦で後ろに重たくならないよう、攻撃につながるボールの奪い方が出来るようにトレーニングしました。守備については失点数の少なさからも手応えは感じていました。

　後半戦は、攻撃の改善がテーマでした。７月〜９月末までのリーグ中断期では意図的に相手を崩して攻撃することを目的としてトレーニングしました。相手を見てボールを動かすことが出来なければ、勢い任せのサッカーになり上位のチームに善戦しても、下位のチームにブロックで引かれると勝てないチームで終わってしまいます。安定したビルドアップからフィニッシュまで組み立てるトレーニングをしてきましたが、リーグ再開後の試合では選手同士の距離間が悪く、中盤エリアで余裕を持ってボールを動かすことがなかなか出来ず、フィニッシュのところが雑になってしまうといった内容で終わってしまいました。

　このように課題が多く残る中リーグ戦は終わってしまいましたが、選手個人のレベルは確実に上がって来ているのも事実です。得点数ランキングにノルディーア北海道の選手がランクインしたのも嬉しいニュースでした。これから始まる皇后杯に向けて継続して取り組んでいきたいと思います。

　上写真／６得点を上げ、リーグ７位タイの成績を残したＭＦ大家梨緒選手


　― 全ての方に感謝を ―

　今シーズンは新型コロナウィルスの影響による度重なる緊急事態宣言の為、多くの施設が閉鎖してしまいました。私たちの練習会場も例外ではありませんでした。時にはグラウンドで練習が出来ず試合に臨む時もありました。

　その状況を知って、ＳＳＳ札幌様、アンフィニＭＡＫＩ.ＦＣ様、北海道コンサドーレ札幌様、ＣＬＵＢ ＦＩＥＬＤＳ様など、近隣クラブチームや学校の皆様にグラウンドを提供していただけました。

　２０２１シーズン、様々な立場の皆様の支えがあって私たちの活動が成り立っていることを再認識するシーズンでした。選手・スタッフ一同、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。来シーズンはより高みを目指し、さらに多くの皆様に「感動共有」をお届け出来るよう精進してまいります。引き続き、ご声援宜しくお願いいたします。

　上写真／ホームゲームでゴールを決め、はじけるような笑顔で駆け寄る選手たち


◆詫間美樹監督プロフィル◆
　北海道出身（１９８４年生まれ）。選手経歴は、文教大明清高校女子サッカー部→東京女子体育大学女子サッカー部→アルビレックス新潟レディースでプレー。
２０１４−１８年文教大明清高校女子サッカー部コーチ
２０１９年文教大明清高校男子サッカー部コーチ
２０２０年札幌東商業高校女子サッカー部監督
２０２１年ノルディーア北海道監督就任