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全国高校サッカー選手権、旭川実業は記録的なPK戦の末、2回戦で涙

19・01・11
 上写真/全国高等学校サッカー選手権大会、和歌山北高等学校との1回戦を戦った旭川実業高等学校のメンバー。12月31日、浦和駒場スタジアム、写真提供:旭川実業高等学校サッカー部


 今年で97回目の開催となる伝統の「平成30年度第97回全国高等学校サッカー選手権大会」。昨年12月30日の開会式と開幕戦を皮切りに、年を越した1月14日の決勝戦まで、熱戦が繰り広げられている。

 本大会は道府県代表46チームと、加盟校数が最も多い東京都が2代表の計48チームが集い、トーナメント方式により日本一を争う。

 北海道からは旭川実業高等学校が3年連続7回目の参加。旭川実業は12月31日、浦和駒場スタジアムで和歌山北高等学校(和歌山県代表)との1回戦。

 試合は、途中旭川実業のPK失敗があったものの、終始ペースを握る展開に。チャンスをものにしたのは前半33分、MF山内が得意の左足で先制ゴール。後半20分には、またも山内が追加点を挙げ、そのまま旭川実業が2−0と完封勝利した。

 試合後の旭川実業の富居監督は「今年のチームは全員でサッカーをした時に力を発揮している。そういう意味では、今日はバラバラだったと思います」と厳しい言葉を残し、2回戦に向けて選手たちを引き締めていた。

 NACK5スタジアム大宮で行われた1月2日の2回戦。対戦相手は1回戦の高知西を6−0で破った帝京長岡高等学校(新潟県代表)。

 試合は、下部組織との連携で力を付けてきた帝京長岡が個人技で上回り、主導権をつかみにかかる。粘り強く相手の隙をうかがっていた旭川実業は、前半20分、相手ペナルティエリア前でつないだボールがMF山内の前に転がると、迷わず左足一閃。豪快にネットを揺らし先制に成功。

 しかしここから帝京長岡の反撃に合い、前半29分、31分と連続失点。1−2で試合を折り返す。

 後半は一進一退の攻防の中、帝京長岡が後方からしっかりとしたビルドアップで崩しにかかれば、旭川実業もプレスや切り替えの早さで対抗。すると、後半29分にうまく抜け出した旭川実業のFW西村がシュート。一度、GKにはじかれたこぼれ球を途中出場のFW金野が押し込み同点。見応えのある2−2の引き分けでタイムアップ。勝負の行方はPK戦に委ねられることに。

 互いに譲らないPK戦は、なんと大会史上最長となる19人目までもつれ込み、最後はPKスコア16−17で帝京長岡が劇的勝利。ドラマチックな幕切れとなり、旭川実業は2回戦で涙をのんだ。

 大会はベスト4が出そろい、1月12日に準決勝、14日に決勝が行われる。優勝旗の行方は、尚志高等学校(福島県代表)、青森山田高等学校(青森県代表)、瀬戸内高等学校(広島県代表)、流通経済大学付属柏高等学校(千葉県代表)の4校で争われる。


 上:上段写真/和歌山北との1回戦、相手選手と競り合いながらボールを運ぶ旭川実業MF河合(白ユニホーム)
 上:下段写真/帝京長岡との2回戦、ハイボールに高々とジャンプしてボールに触る旭川実業FW金野(18番)。交代出場で後半29分に同点ゴールを決めた。1月2日、NACK5スタジアム大宮


 上:上段写真/今大会3得点を挙げるなど、活躍を見せた旭川実業のMF山内(8番)
 上:下段写真/スタンドには、部員、家族、その他多くの関係者が応援に駆けつけた

編集部