サッカーアラカルチョ
一覧に戻る弊紙発刊の書籍がリニューアル版で絶賛販売中【一部抜粋し紹介】
24・10・11
Amazon初登場時にカテゴリー別4位となった「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」(出版元:北のサッカーアンビシャス)が、全国のサッカー関係者から注目を集め、「クラブ40周年記念誌同梱版」としてリニューアル発売となった。
こちらの特装版は、現在Amazonで限定販売中。地域スポーツ関係者には関心の高いクラブ運営や、あっと驚く施設の作り方も実例を基に紹介。ご興味のある方は是非どうぞ。
本紙では、本の中身を少しずつではあるが紹介している。今回は第十の巻「よし、10年ぶりに全国大会に出るぞ!」の章を抜粋し、紹介したい(登場人物の年齢、所属、役職などは2017年通常版出版時のものとなります)。
【以下書籍より一部抜粋】
第十の巻「よし、10年ぶりに全国大会に出るぞ!」
このエピソードは、土地の購入以前にホーム施設確保の大筋も決まっていない2012年、春のことである。ドリームプロジェクト開始から3年が経ち、クラブ員のみならず役員や職員からも、そろそろ目に見える結果が求められていた時期に柴田の「よし、10年ぶりに全国大会に出るぞ!」発言である。
さて、あなたがクラブ関係者ならどうだろう。「この大変な時期に責任者が何言っているんだ!」と、苦言を呈したくなるのが普通ではないか。まさに周囲の反応もそうだったと言う。
そもそもプロジェクトの進行状況をある程度把握していたのは上部役員までであり、柴田も報告の中で、全ての交渉状況を詳細に伝えていた訳ではなく、プロジェクトがどこまで進んでいるかは多くの関係者は分からなかった。傍から見ると、何の成果を見せないまま、「全国に行くぞー!」では、これは誰が考えてもあり得ないだろう。
もちろん全国に行くと言っても、コーチとして引率するのではなく選手として大会に出るというのだ・・・。特命チームの3人は、仕事内容を他のスタッフにも知らせず、淡々と(ラクそうに)日頃の業務をこなしていたため、「どーせあいつらは暇なんだろう・・・」と言われていたのも仕方がなかったのかもしれない。この時、特命チームは、某人気テレビドラマのように「特命チームは人材の墓場」と揶揄されるような状況だった。
ちなみに柴田は若かりし頃、全国につながる全道大会で多くの優勝経験があり、道内で獲得したタイトルを中心にざっと列挙すると、高円宮杯、高校選手権、総理大臣杯、天皇杯、知事杯、学生リーグ、フットサル選手権、フットサル道リーグ、フットサル地域チャンピオンズリーグなどである。当時、外サッカーとフットサルを併せると道内で一番タイトルに恵まれていたという噂もあった。「チームスポーツなので、それは所属チームや仲間に恵まれていただけのことです」。柴田はそっけなく振り返る。
そこから「10年ぶりに全国大会に出るぞ!オー!」(ひとりで雄叫び)につながるのである。30歳頃までは、週に6日子どもたちに指導をし、週に1回は社会人チームの活動に参加していたが、この時、柴田は39歳。既にれっきとしたオジサンプレーヤーである。
全国大会に出場するためには、まず全道大会で優勝しなければならない。参加カテゴリーは、近年シニア年代前のプレーヤーのために整備されてきた30歳以上(全国につながるのは35歳以上)の公式大会だ。
早速SSSの社会人部門として活動していた若手チームの「SSSシェフィールド」と連動する形でチーム作りが始まった。こうなると、プロジェクトに対する批判うんぬんは横に置いておくことになる(「棚に上げた」という方が正解か)。もちろん、それが狙いだった訳ではなく、これはクラブの多世代化の一環だったのだ。
柴田は言う。「プロジェクトをストップさせてもいませんでしたし、クラブ員に活動の場を提供し、活動環境の向上を図り続けるのがクラブの使命でもあるので、同時期に進めただけのことです」。続けて「SSSの子どもたちに全国を目指せ!といつも言っているんだからコーチもそれくらいの意識でやらないと」。しかし、意識を持つのと、本当に目指すのは違うような気もするが・・・。
詳細は当時の田古嶋のスタッフ日記(SSS公式ホームページに掲載)に譲るが、チームの監督は田古嶋、選手に柴田、土橋のプロジェクト特命チームの3人が各々活躍し、結果は見事全道優勝。同年に大阪で開催されたプレマスターズ大会に参加することとなった(一部の関係者から、「そんなところで結果出していないで、プロジェクトで結果を出せ!」と、いう批判も当然か)。
ちなみに監督として全国大会に導いた田古嶋は日本サッカー協会公認のC級指導員資格保持者である。女性の田古嶋も資格を取れるのだから、指導に興味のある方はぜひ挑戦してはどうだろう(指導員資格とはいえ、実地ではかなりハードなトレーニングもある。油断とけがのないようにしてほしい。柴田は試験最終日に案の定ひどい肉離れをしたという・・・)。
ここで伝えたいのは、サッカーをプレーする喜びを知っている者が、サッカーの現場に立ち、子どもたちに教えて欲しいということ。昔取った杵柄でも良いし、サッカーを本格的にやってきていなくとも、子どもと一緒にボールを蹴ってみて、楽しさや難しさも一緒に感じて欲しい。もし難しさを知っていれば、子どもの試合中に「なんで、出来ないんだ!」と言うような野次も減るだろうし、楽しさを共有出来たのであれば、それが生涯スポーツやサッカーファミリーの増大につながるとさらに素晴らしい。そのような環境が多世代にわたることで、サッカー先進国や強豪国のようなサッカー文化の醸成につながっていくのだろう。
こちらの特装版は、現在Amazonで限定販売中。地域スポーツ関係者には関心の高いクラブ運営や、あっと驚く施設の作り方も実例を基に紹介。ご興味のある方は是非どうぞ。
本紙では、本の中身を少しずつではあるが紹介している。今回は第十の巻「よし、10年ぶりに全国大会に出るぞ!」の章を抜粋し、紹介したい(登場人物の年齢、所属、役職などは2017年通常版出版時のものとなります)。
【以下書籍より一部抜粋】
第十の巻「よし、10年ぶりに全国大会に出るぞ!」
このエピソードは、土地の購入以前にホーム施設確保の大筋も決まっていない2012年、春のことである。ドリームプロジェクト開始から3年が経ち、クラブ員のみならず役員や職員からも、そろそろ目に見える結果が求められていた時期に柴田の「よし、10年ぶりに全国大会に出るぞ!」発言である。
さて、あなたがクラブ関係者ならどうだろう。「この大変な時期に責任者が何言っているんだ!」と、苦言を呈したくなるのが普通ではないか。まさに周囲の反応もそうだったと言う。
そもそもプロジェクトの進行状況をある程度把握していたのは上部役員までであり、柴田も報告の中で、全ての交渉状況を詳細に伝えていた訳ではなく、プロジェクトがどこまで進んでいるかは多くの関係者は分からなかった。傍から見ると、何の成果を見せないまま、「全国に行くぞー!」では、これは誰が考えてもあり得ないだろう。
もちろん全国に行くと言っても、コーチとして引率するのではなく選手として大会に出るというのだ・・・。特命チームの3人は、仕事内容を他のスタッフにも知らせず、淡々と(ラクそうに)日頃の業務をこなしていたため、「どーせあいつらは暇なんだろう・・・」と言われていたのも仕方がなかったのかもしれない。この時、特命チームは、某人気テレビドラマのように「特命チームは人材の墓場」と揶揄されるような状況だった。
ちなみに柴田は若かりし頃、全国につながる全道大会で多くの優勝経験があり、道内で獲得したタイトルを中心にざっと列挙すると、高円宮杯、高校選手権、総理大臣杯、天皇杯、知事杯、学生リーグ、フットサル選手権、フットサル道リーグ、フットサル地域チャンピオンズリーグなどである。当時、外サッカーとフットサルを併せると道内で一番タイトルに恵まれていたという噂もあった。「チームスポーツなので、それは所属チームや仲間に恵まれていただけのことです」。柴田はそっけなく振り返る。
そこから「10年ぶりに全国大会に出るぞ!オー!」(ひとりで雄叫び)につながるのである。30歳頃までは、週に6日子どもたちに指導をし、週に1回は社会人チームの活動に参加していたが、この時、柴田は39歳。既にれっきとしたオジサンプレーヤーである。
全国大会に出場するためには、まず全道大会で優勝しなければならない。参加カテゴリーは、近年シニア年代前のプレーヤーのために整備されてきた30歳以上(全国につながるのは35歳以上)の公式大会だ。
早速SSSの社会人部門として活動していた若手チームの「SSSシェフィールド」と連動する形でチーム作りが始まった。こうなると、プロジェクトに対する批判うんぬんは横に置いておくことになる(「棚に上げた」という方が正解か)。もちろん、それが狙いだった訳ではなく、これはクラブの多世代化の一環だったのだ。
柴田は言う。「プロジェクトをストップさせてもいませんでしたし、クラブ員に活動の場を提供し、活動環境の向上を図り続けるのがクラブの使命でもあるので、同時期に進めただけのことです」。続けて「SSSの子どもたちに全国を目指せ!といつも言っているんだからコーチもそれくらいの意識でやらないと」。しかし、意識を持つのと、本当に目指すのは違うような気もするが・・・。
詳細は当時の田古嶋のスタッフ日記(SSS公式ホームページに掲載)に譲るが、チームの監督は田古嶋、選手に柴田、土橋のプロジェクト特命チームの3人が各々活躍し、結果は見事全道優勝。同年に大阪で開催されたプレマスターズ大会に参加することとなった(一部の関係者から、「そんなところで結果出していないで、プロジェクトで結果を出せ!」と、いう批判も当然か)。
ちなみに監督として全国大会に導いた田古嶋は日本サッカー協会公認のC級指導員資格保持者である。女性の田古嶋も資格を取れるのだから、指導に興味のある方はぜひ挑戦してはどうだろう(指導員資格とはいえ、実地ではかなりハードなトレーニングもある。油断とけがのないようにしてほしい。柴田は試験最終日に案の定ひどい肉離れをしたという・・・)。
ここで伝えたいのは、サッカーをプレーする喜びを知っている者が、サッカーの現場に立ち、子どもたちに教えて欲しいということ。昔取った杵柄でも良いし、サッカーを本格的にやってきていなくとも、子どもと一緒にボールを蹴ってみて、楽しさや難しさも一緒に感じて欲しい。もし難しさを知っていれば、子どもの試合中に「なんで、出来ないんだ!」と言うような野次も減るだろうし、楽しさを共有出来たのであれば、それが生涯スポーツやサッカーファミリーの増大につながるとさらに素晴らしい。そのような環境が多世代にわたることで、サッカー先進国や強豪国のようなサッカー文化の醸成につながっていくのだろう。
上写真/書籍の中では子どもたちも読みやすいようにと、登場人物紹介やエピソードがイラストで紹介されるページもある。もちろんプロジェクトはノンフィクションだが、イラストについては若干の脚色があることはご了承いただきたい
―この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。通常版はAmazonかコーチャンフォー(道内一部店舗)で、特装版はAmazonでのみ販売しております(Amazonサイト内で、「SSS札幌」、もしくは「SSSサッカー」で検索するとトップページに表示されます)。
「あなたも奇跡と呼ばれたプロジェクトの証人となる!?」
【書籍情報】
題 名:「100万円も借りられなかったNPOが、
街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」
著 者:北のサッカーアンビシャス編集部
協力SSSドリームプロジェクト特命チーム
イラスト担当スエリス
発行所:北のサッカーアンビシャス
形 式:A5版300ページ
(カラー8P、モノクロ292P内イラスト20P)
価 格:クラブ40周年記念誌(カラー20P)付きの特装版は1,210円
通常版は1,100円(ヤマトDM便での発送)
販売先:特装版はAmazonでのみ取り扱い中(SSS札幌で検索)
通常版はAmazonとコーチャンフォーで取り扱い中
(道内一部店舗)
―この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。通常版はAmazonかコーチャンフォー(道内一部店舗)で、特装版はAmazonでのみ販売しております(Amazonサイト内で、「SSS札幌」、もしくは「SSSサッカー」で検索するとトップページに表示されます)。
「あなたも奇跡と呼ばれたプロジェクトの証人となる!?」
【書籍情報】
題 名:「100万円も借りられなかったNPOが、
街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」
著 者:北のサッカーアンビシャス編集部
協力SSSドリームプロジェクト特命チーム
イラスト担当スエリス
発行所:北のサッカーアンビシャス
形 式:A5版300ページ
(カラー8P、モノクロ292P内イラスト20P)
価 格:クラブ40周年記念誌(カラー20P)付きの特装版は1,210円
通常版は1,100円(ヤマトDM便での発送)
販売先:特装版はAmazonでのみ取り扱い中(SSS札幌で検索)
通常版はAmazonとコーチャンフォーで取り扱い中
(道内一部店舗)
編集部