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弊紙発刊の書籍が好評につき、販売店舗拡大中!【一部抜粋して紹介】

21・05・11
 2017年、Amazon初登場でカテゴリー別4位となった「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」(出版元:北のサッカーアンビシャス)が、全国のサッカー関係者から注目を集め、「クラブ40周年記念誌同梱版」としてリニューアル発売となった。

 こちらの特装版は、数量限定で現在Amazonでのみ取り扱い中。地域スポーツ関係者には関心の高いクラブ運営や、あっと驚く施設の作り方も実例を基に紹介。ご興味のある方は是非どうぞ。

 本紙では、本の中身を少しずつではあるが紹介している。今回は第十七の巻「う、うそでしょ。こんな時に・・・がくっ」から一部を抜粋したい(登場人物の年齢、所属、役職などは2017年通常版出版時のものとなります)。


【以下書籍より一部抜粋】

第十七の巻「う、うそでしょ。こんな時に・・・がくっ」

 クラブハウスの建設に至るまで、紆余曲折があったのは説明したが、特命チームはクラブハウス新設事業だけに専念していた訳ではない。当然、日頃のスポーツ活動やクラブ運営業務を実行しながら、困難なマルチタスクを期限内に進めるために、ある意味、強引に時間を作って業務を遂行していった。特命チームはクラブ運営において、財務や人事管理など重要な役割も担っており、それだけでも十分な仕事量とストレスだ。

 特に中小、零細企業での人事管理は、人数が少なく距離が近い分、管理監督者、労働者互いに内容的にも精神的にも厳しい時もあるだろう。NPO法人格で運営し、社会保険完備で正職員を雇っているSSSも同様だった。日頃の業務に追われる中、スポーツ振興くじ助成関連事業を滞りなく実行し、クラブの規模から勘案すれば、身の丈以上とも言える大型の施設を次々に造り上げていった。

 そんなある日の出来事である――。

 忙しく仕事をこなしていた土橋の背後に柴田が近付き、「これで特許取るから準備しといて」と、突然気軽に言い出したのである。一瞬土橋は、振り返りたくない(用意された資料を見たくない)と思った。なぜなら、この時クラブハウスの大枠も確定出来ていなかった時期であり、これ以上新規の業務をあえて重ねるのは無謀以外の何物でもない。かと言って柴田は、一度「やるぞ!」と言い出したら、周りが何を言ってもやってしまう。

 土橋の重い空気を察してか、「いやこれ前のMetosシステムの特許と違って単純な仕組みだから。国際特許も今回は取らないしー、国内だけだしー、概要をまとめた要約書も作っておいたしー」。

 ここで、特許申請の経験のある方ならピンとくるかもしれないが、単純な仕組みこそ既存の技術との違いを明確にすることが難しく、新規性が無ければ特許取得には至らない。どんなに単純なものでも、工業的にしっかりとした理論構築がなされていなければ、申請をしても時間と費用の無駄になってしまう。ちなみに、この特許については、スポーツで使用する器具で、現在申請中とのことである。

 他にも振り回されるパターンがある。土橋がパソコンのキーボードをガチャガチャと(うるさく)たたいていると、柴田は「な〜に、また忙しそうな雰囲気醸し出してんの? 相変わらず余裕がないねー。しかも、横からみたら背中に定規が入っているみたいに直立してカッチカチだぞ。まるで戦う前に直立したカンガルーだな。だから、サッカーのプレーもガッチガチに硬いもんな」などと、嫌味を言いながら周囲を歩き回る。

 最後には「で、本当に忙しい? へー忙しいんだ。ふーん。じゃそんなに忙しいなら軽くボール蹴るぞーい!」。意味不明に思えるが、難題を前に思考が固まった時には、体を動かすことで脳内の神経伝達物質や神経栄養因子が放出され、思考を変化させることが出来るという最新運動生理学に基づいているようでもある。

 柴田に真意を聞くと「部下を抱えている上司が、いつも仕事に追われて忙しそうにしていたら余裕が無いなー、頼れないなーと思いませんか? 上司やベテランには、日常の業務は涼しい顔でこなして、いざという時に力を発揮してほしいですよね。私も大変な様子は表に出さないようにしていますが、あまりにも楽に見えすぎるのか、職員からいつもヒマそうだなーと思われていますけど・・・」。

 またまた頭を抱えることになる土橋は、同じように激務をこなす柴田がいつのまに特許の概略や、抱える難題を解決していたのかも全く気付かず、周囲を幻惑するファンタジスタのような仕事ぶりだったという。確かに、SSSドリームプロジェクトの概要を聞いた時、特命チーム以外は「どうせファンタジーの世界だろ。それより現実を見て欲しいもんだ」と皮肉っている者もいたというが――。


 上写真/書籍の中では子どもたちも読みやすいようにと、登場人物紹介やエピソードがイラストで紹介されるページもある


―この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。通常版はAmazonかコーチャンフォー(新川通り店、ミュンヘン大橋店、釧路店、北見店)で、特装版はAmazonでのみ販売しております(Amazonサイト内で、「SSS札幌」、もしくは「SSSサッカー」で検索するとトップページに表示されます)。

 「あなたも奇跡と呼ばれたプロジェクトの証人となる!?」


【書籍情報】
題 名:「100万円も借りられなかったNPOが、
     街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」

著 者:北のサッカーアンビシャス編集部
    協力SSSドリームプロジェクト特命チーム
    イラスト担当スエリス

発行所:北のサッカーアンビシャス

形 式:A5版300ページ
   (カラー8P、モノクロ292P内イラスト20P)

価 格:クラブ40周年記念誌(カラー20P)付きの特装版は1,210円
    通常版は1,100円(ヤマトDM便での発送)

販売先:特装版はインターネットモールAmazonでのみ取り扱い中
    通常版はAmazonとコーチャンフォーで取り扱い中
(新川通り店、ミュンヘン大橋店、釧路店、北見店。他店舗はお問い合わせ)


編集部