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弊紙発刊の書籍が全国で絶賛販売中!【一部抜粋して紹介】

18・04・11
 上写真/「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」の表紙(三角屋根が多目的屋内交流施設。隣が2階建てのクラブハウス)。裏表紙には人工芝グラウンドの写真がつながる(子どもたちも読みやすいようにと書籍内では20ページのイラストも掲載)


 昨年Amazon初登場時にカテゴリー別4位、その後口コミで広まり、大型書店「コーチャンフォー 新川通り店」でも取り扱いが開始された書籍「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」(出版元:北のサッカーアンビシャス、税込1,080円)が、全国のサッカー関係者から注目を集め、絶賛発売中だ。

 本紙では、昨年の12月号から本の中身を少しずつではあるが紹介している。5回目は第六の巻「今だからこそ、文科省事業を取るぞ!」から一部を抜粋したい。


【以下書籍より一部抜粋】

第六の巻「今だからこそ、文科省事業を取るぞ!」

 時間は少しさかのぼり、2010年7月、他の団体が指定管理者となっていた、札幌市内の小学校の廃校利用にSSSも参画。大教室の定期借用を行い、地域の子どもたちのための活動を開始していた。第一の目的は、本格的にサッカーを始める前の年代でもある幼児のサッカー体験教室と幼児の体操教室(キッズフィットネスコース。クラブハウスの新設に伴い16年にホーム施設に移転)を開催することだったが、他施設の指定管理者となった場合を見据えた管理ノウハウの蓄積も目的としてあった。この教室では、サッカーだけではなく、芸術活動として、お絵かきや粘土細工を行う「お楽しみアート教室」も開催するなど幅の広い活動で利用者からも好評を得ていた。

 2011年には文部科学省の「平成23年度 スポーツコミュニティの形成促進」事業に応募し、厳しい書類選考などを経て、SSSは札幌市内で唯一の事業受託団体となった。翌年には、「平成24年度地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクト」、平成25年度もそれまでの活動事業が評価され、継続して文部科学省からの事業委託団体に選定されている。

 SSSが行った主な事業内容は、「地域の課題解決に向けた取組の推進」と「小学校体育活動コーディネーターの派遣」の二つ。地域課題の解決事業では、文部科学省が調査した全国の子どもたちの体力調査において、ワースト上位となっている北海道の小学生に対し、参加費無料でスポーツを楽しむ環境を提供するなど、運動のきっかけ作りを支援した。大規模会場での開催は、札幌市内のコミュニティドームを活用し、小規模会場はSSSが2010年より定期借用していた小学校の廃校利用の一環として開催した。また、コーディネーター派遣事業では、小学校の体育館授業にコーチを派遣し、教員と協力体制を作り、授業支援を行った。

 これらの事業は、ホーム施設の確保とは直結していないように思えるが、柴田は「これは、自クラブの子どものためだけではなく、地域の子どもたちのために、自己資金を使ってでもやる」と公言していた。事実、国からの資金導入期間終了後も、自己資金も投入しながら同事業を継続している。

 当然、国からの委託事業は、厳正な審査通過後も、企画、実行、報告に至るまで、時間と手間ひまの掛かる事業であり、これも特命チームが仕事を勝ち取ってきているのだ。土橋は語る。「事業委託を受けるのも簡単ではないですが、委託を受けてからの実際の活動が大事なのは言うまでもありません。私たちだけではなく、現場を任せたスタッフの仕事ぶりが肝心なのはもちろん、教育機関との連携も重視し、信頼を積み上げるべく実行しました」。

 特に地域の課題解決事業では、柴田が発明したスポーツ競技会システムも導入され、子どもたちから好評を得るなど高い評価を受けた。このスポーツ競技会は、SSS会員のために開発した会員管理育成システム(Members Total Support System=呼称Metos「ミートス」)の一部で、2009年に米国特許(Patent No.US 7,575,433 B2)、2010年に国内特許(特許第4579652号)を取得している。その基礎的研究段階から特命チームが担当しており、2004年のSSS
25周年での正式稼働から、年々バージョンアップを重ねてきた独自のシステムである。

 スポーツ競技会の主な特徴は、レーザー測定器やサーバーパソコンなどの電子機器を活用し、サッカー競技では、ドリブルや俊敏性、リフティングやシュートなど種目ごとに記録を測定。参加者は蓄積されたデータから比較分類され、瞬時にランキング化がなされる。さらにスポーツ競技会終了後には、参加者本人の競技データを基に自動提示のアドバイスコメントも入った選手カードも配付。子どもたちは自分専用の選手カードを見せ合うなど、大いに刺激を受ける機会となっているという。

 発明者の柴田は「スポーツ競技会は、参加者が楽しみながら、何か新しい刺激を感じてくれればと思い開発しました。今のところ多くの子どもたちが喜んでくれているようなので、導入して良かったと思います」。開発にかかわった土橋は、「初めて特許技術のシステム概要を聞いた時には、自分の理解を超えていて、今の稼働状況を全くイメージ出来ませんでしたし、簡単な内容ではなかったと思います」と振り返っていた。

 ちなみに土橋は、高校時代に日商簿記の2級資格を取るなど、ある程度学力には自信を持っていたが、発明内容を初めて聞いた時、あまりに理解が出来ず、頭がボーッとして、勢い余って目の前で寝てしまったという。それでも柴田は構わず、延々と説明しながら、メモを書き続けていた。後日、土橋は残されたメモを頼りに内容を読み解き、柴田に何度も確認することになるのだが、「ふーん。それ面白いね。誰のアイデア?」、時には「なんだ、そのアイデアは!全然面白くも無い!」と、柴田が自ら捻り出したはずのアイデアを他人事のように回答され、土橋はますます困惑したという。

 発明後1年ほどの基礎的研究を行い、米国と日本の特許申請が認められることになる。ひと段落し、振り返った土橋が「根本のアイデアはいつ、どうやって考えたのか?」という質問に対し、柴田は真顔で「寝ながらずーっと考えて、全体像と答えを導いた。それを起きた時に覚えていられるかが一番不安だった」。そして嫌味っぽく「だから記憶にあるうちにと思って、翌日、土橋に一気に全部伝えたのに、土橋は途中からずっと寝てたから、仕方なくメモに残しておいた」。

 さて、振り返ってみるとどうだろう。ドリームプロジェクトが目に見える進展が無いと思われていた中、国からの委託事業を引き受けた3年間は、一見、遠回りに思われるだろう。しかしその後、銀行の融資判断の際には、この委託事業は間違いなくプラス評価となったのではないだろうか。特許の申請も、周囲に一切理解されていなかったが、国からの委託事業でスポーツ競技会システムが採用されているということは、全てがつながっているといえる。急がば回れである。


 上写真/書籍の巻頭カラーページで紹介されているクラブハウスの写真。特に吹き抜け構造の多目的室(写真右下)と2階からグラウンドが一望できる特別観覧室(写真左下)は、スポーツクラブ関係者なら一見の価値がある


 この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。店頭でのご購入はコーチャンフォー新川通り店(他店舗はお問い合わせください)か、Amazonでも送料無料で販売しております(Amazonサイト内で、「本 SSS」、もしくは「100万円も」で検索するとトップページに表示されます)。

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編集部